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心に残る映画50選【ジョー・ブラックをよろしく】〜完成度の高い映画が見たい貴方へ〜

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「ジョー・ブラックをよろしく」

 

の目次

 

I. こんな人におすすめ

完成度の高い映画が見たい貴方へ

II. 監督

 

マーティン・ブレスト

脚本:

ロン・オズボーンジェフ・レノケヴィン・ウェイドボー・ゴールドマン

  •  

主演:ブラッド・ピット

III. あらすじ

filmarks.com

死神と人間の女性が紡ぎ出すファンタスティックなラヴストーリー。

IV. 鑑賞後の気持ち

 

3時間をこれる対策に物怖じする方も多いが、全く問題なし。

長時間を感じさせない映画のカットわりで、気がつけばエンドロール。

序盤は奇想天外な出来事によるSF感。
中盤は、恐怖と焦燥を視聴者にも語りかけるような仕掛けな。
終盤は前半戦の全ての伏線を回収するラスト。

それをとっても完成度が高く映画好きなら唸る作品に仕上がっていよう。。。


内容について考察をする必要もないくらい、視聴後の痛快感がある。

視聴まえに授けられるものとして、

「ブラット・ピット」の言い回しが最高かつスーマートである、

 


『死と税金からは逃れられない』
『去りがたい?それが生だ』

なんの変哲もない言葉だが、劇中の役を通して聴くと味がグッとます。




さあ、いってらっしゃい

 

心に残る本50選【暇と退屈の倫理学】〜なんか退屈だな。と感じるの貴方へ〜

暇と退屈の倫理学 (新潮文庫)

 

 

 

「暇と退屈の倫理学の目次

I. こんな人におすすめ

なんか退屈だな。と感じる貴方へ

II. 作者

國分功一郎

III. あらすじ

新潮社
発売日 : 2021-12-23

暇とは何か。人間はいつから退屈しているのだろうか。
答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう。
2011年朝日出版社刊『暇と退屈の倫理学』、2015年太田出版刊『暇と退屈の倫理学 増補新版』と現代の消費社会において、気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加え、待望の文庫化。

IV. 読破後の気持ち

高度消費社会
豊かな社会とは、供給を需要が先行している。
供給側が、需要を操作している「おなたが欲しいのは、これなんです」

と押し売りをしてくる。


高度発展、革命からの新世界の構築を、幸福と捉え、成熟しきっている現代を不幸と捉えてはいけない!


スヴェンセンのロマン主義
ロマン主義者は「人生の充実」を求める。が、それは何を指しているのか不透明なため、退屈になる。

管理されない余暇
余暇に慣れていない人間は何をしたら良いのかわからない。その点での台頭が、したいことを与えるレジャー産業である、レジャー産業は人々の欲望を作りす機能。

などなど、作中では多数の学者と筆者の見解が、全て客観的データや論述をもとに展開されており、腹おちするものが多く、無理難題に取り組んでいると感じた、タイトルをゆっくり紐解いていく。


退屈の構造をこれでもかと因数分解して行き、
読者に「あ、私はこの退屈をいま味わってるな〜」と共感を煽りながら進んでいくシーンが多く点在している。

 

一部抜粋で紹介するが、

旅行にも出向く、パーティーにも行く、が退屈を感じてしまう。
その場の空気を「マニュアル→オートプレイ」変更し、付和雷同になり、退屈を感じている。

※本書の内容はさらに細かく分析されている

 

それだ!とか、そうなんだよな〜。とか、飽きてしまったものはしょうがない!とか、一見あるあるで片付けそうな、無理難題を結論まで持っていく筆の走りには圧倒される。

ぜひ、退屈の撃退クエストに出向いて頂きたい。
また、読破後の感想を共有したい次第である。

心に残る映画50選【チワワちゃん】〜怖いもの無しな若者の貴方へ〜

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「チワワちゃんの目次

I. こんな人におすすめ

怖いもの無しな若者の人。

II. 監督

二宮健

 

主演:門脇麦

III. あらすじ

filmarks.com

 

その日、東京湾バラバラ殺人事件の被害者の身元が判明した。千脇良子・20歳・看護学校生。ミキはそれが、自分の知っている“チワワちゃん”のことだとは思わなかった。チワワを偲ぶために、仲間たちが久しぶりに集まったが、誰も最近のチワワを知らなかった。そんな中、ファッション雑誌のライターのユーコから、チワワの追悼記事の取材を受けるミキ。もっと話を聞かせてほしいと頼まれたミキは、仲間たちにあらためてチワワとの思い出を聞きに行く。しかし、ミキを待ち受けていたのは、それぞれの記憶の中の全く違うチワワだった。

IV. 鑑賞後の気持ち

怖い物無しの若者達が持つ快楽と狂気を毒々しいまでの煌びやかさで描いた作品。

いつも岡崎京子は一瞬の輝きをグロテスクなまでの瑞々しさで、またそれに伴う破滅を美しく描き出す。

若者達のそれぞれ異なる記憶は、不確定で不安定な青春そのものなのだ。





 

心に残る本50選【人質の朗読会】〜小さな思い出をお守りにして生きる貴方へ〜

人質の朗読会 (中公文庫)

 

 

人質の朗読会の目次

I. こんな人におすすめ

小さな思い出をお守りにして生きる人。

II. 作者

小川洋子

III. あらすじ

booklog.jp

 

遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた。慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして、、。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。

IV. 読破後の気持ち

この物語は、題名の通り人質の朗読会である。地球の裏側での観光ツアーの参加者と添乗者の八人が反政府ゲリラの襲撃によって拉致され、最終的に八人全員が死亡することになる百日以上の拘束期間に人質達が行った朗読会の記録だ。ただ思いつくままに話すのではなく、自分の中にある小さな思い出を書き出しただただ朗読し合う。恐怖や孤独を目の前にした状況下で行われた祈りの記録である。

 

例えば留守番していたある日、隣家の女性がコンソメスープを作る為にキッチンを貸したことや会社へ行く電車から寄り道して、槍投げの学生をただ見ていたことなど。生死の狭間に置かれた世界的ニュースの当事者になった中で、八人が語る思い出はとても個人的且つ小さく細やかな過去である。
またそれぞれの朗読を終えた後には、人質達の職業、年齢、性別、ツアーへの参加理由が書かれている。子供の頃の留守番の思い出を話した後、精密機械工場経営者・四十九歳・男性
と書かれてあったり、就職したばかりの頃の思い出を話した後、貿易会社事務員・五十九歳・女性、また姪の結婚式出席のための旅行中と書いてあったりする。その思い出から現在の状況を知ることで、流れた時間の中で変わったもの、また変わらないものを知ることになるのだ。

 

これら人質達が語った小さな思い出は、こんな状況に置かれるまでひそやかに生きてきた人質達のお守りでもあった。

 

「いつになったら解放されるのかという未来じゃない。自分の中にしまわれている過去、未来がどうであろうと決して損なわれない過去だ。」

 

恐怖や孤独と対面した中それぞれのお守りを分け渡し合うようにして、八人は生きている実感を思い出していったのだ。

 

心に残る本50選【極楽征夷大将軍】〜歴史を構えずに楽しみたい貴方へ〜

 

極楽征夷大将軍

 

 

「極楽征夷大将軍の目次

I. こんな人におすすめ

歴史を構えずに楽しみたい貴方へ

自己肯定感最弱男が、国を取る物語に興味がある方へ。

II. 作者

 

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞吉川英治文学新人賞日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

III. あらすじ

著者 : 垣根涼介
発売日 : 2023-05-11

史上最も無能な征夷大将軍
やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。
後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。
怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。

混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、
何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。

IV. 読破後の気持ち


鎌倉幕府から、室町幕府立ち上げまで関わる足利家の兄弟のお話。


足利尊氏、直義。後醍醐天皇楠木正成新田義貞

 

錚々たるメンツが出てくるこの時代に、

登場した人物の性格や背景をわかりやすく記述されており読みやすい一作である。

 

メインは足利家の兄弟の物語で、〈幼少期〉〈討幕〉〈樹立〉〈内輪揉め〉〈終戦〉の枠組みで展開されており、その時々での兄弟の考えか他の違いや対比が色濃く描写されており、

時々で尊氏(兄)の方に、令和の人間化のような親近感を感じてしまう。

 

 

兄(尊氏)の発言行動に現代人なら誰でも共感するであろう。

 

「我らが思案してもどうこうなるものでもない。なるようにしかならん」


「何事も見ている間は楽しいが、終わってしまえがそれだけのことだ。すぐに脳裏からは消え去る。全ての世は過ぎてみれば夢のようなものだ」


「わしは一度だって、棟梁になどなりたいと言っていない」

 

確固たる生き方を持たず、

現代への苛立ちも使命感もない人間が、

室町幕府のトップ、時代を席巻している。


その史実に興味しか湧かないのではないだろうか?

 

つまり現代に興せば、無気力無欲自己肯定感激低人間が、総理大臣になるようなものだ。

この人間が周りの血気盛んな人間に囲まれ押し上げられていく様がどんどんページを進めていく。

 

ようこそ現代風室町時代へ。