「人間標本」の目次
I. こんな人におすすめ
美しい犯罪が見たいあなたへ
II. 作者
III. あらすじ
人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな
蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品
IV. 読破後の気持ち
やっぱこの人頭おかしいわ。
親子との絆を描いた一作。
蝶を題材に父と子の関係性が書かれている。
残虐性を美しさとして表す、
湊かなえ独特な良い回しが本当に気持ち悪い。
しかもそのパートが、五人それぞれに与えられており、
本の5割を占めるため、あゝ美しい殺人だ。と思ってしまう。
蝶の生態や『色』に触れて、学者と芸術の側面を2つ合わせて殺人の面を薄くしてる流れが不気味すぎる。
結局これ誰が悪い?むしろ作品を見たいんだが?
みたいな感想で終わってしまう自分に苛立つ。
彼らは裁かれるべきなのに。
2つの親子が作り上げた傑作。2つの親子愛が作り上げた集大成と捉えることも出来る。
形はどうであれ、親子愛を親子の軌跡を一冊にまとめた作品。
それらを、残虐性と狂気の沙汰の要素を、
メルヘンチックな『蝶』の世界で表して、
原液希釈している発想がとても、
とても気持ち悪い。
ご拝読ありがとうございました。(湊かなえさん、実話じゃないよね?)