「暇と退屈の倫理学」の目次
I. こんな人におすすめ
なんか退屈だな。と感じる貴方へ
II. 作者
III. あらすじ
新潮社
発売日 : 2021-12-23
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暇とは何か。人間はいつから退屈しているのだろうか。
答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう。
2011年朝日出版社刊『暇と退屈の倫理学』、2015年太田出版刊『暇と退屈の倫理学 増補新版』と現代の消費社会において、気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加え、待望の文庫化。
IV. 読破後の気持ち
高度消費社会
豊かな社会とは、供給を需要が先行している。
供給側が、需要を操作している「おなたが欲しいのは、これなんです」
と押し売りをしてくる。
高度発展、革命からの新世界の構築を、幸福と捉え、成熟しきっている現代を不幸と捉えてはいけない!
スヴェンセンのロマン主義
ロマン主義者は「人生の充実」を求める。が、それは何を指しているのか不透明なため、退屈になる。
管理されない余暇
余暇に慣れていない人間は何をしたら良いのかわからない。その点での台頭が、したいことを与えるレジャー産業である、レジャー産業は人々の欲望を作りす機能。
などなど、作中では多数の学者と筆者の見解が、全て客観的データや論述をもとに展開されており、腹おちするものが多く、無理難題に取り組んでいると感じた、タイトルをゆっくり紐解いていく。
退屈の構造をこれでもかと因数分解して行き、
読者に「あ、私はこの退屈をいま味わってるな〜」と共感を煽りながら進んでいくシーンが多く点在している。
一部抜粋で紹介するが、
旅行にも出向く、パーティーにも行く、が退屈を感じてしまう。
その場の空気を「マニュアル→オートプレイ」変更し、付和雷同になり、退屈を感じている。
※本書の内容はさらに細かく分析されている
それだ!とか、そうなんだよな〜。とか、飽きてしまったものはしょうがない!とか、一見あるあるで片付けそうな、無理難題を結論まで持っていく筆の走りには圧倒される。
ぜひ、退屈の撃退クエストに出向いて頂きたい。
また、読破後の感想を共有したい次第である。